「Vox Caprae, Acta Baphometi (ヴォックス・カプレ・アクタ・バフォメティ)」は、自由形式プロジェクトとして結成されたVox Capraeのデビュー・ミニアルバムです。国内外のアーティストが共同制作した作品になっており、「国際人」として育ったリーダーのフランコ T. ライリーの感性を表現しながら、ジャンルにとらわれない多様な音源集となっています。
「ヴォックス・カプレ・アクタ・バフォメティ」には、さまざまな個性と背景を持つミュージシャンたちが集結し、各楽曲の持ち味が最大限に引き出されています。イタリア語、日本語、英語の三言語で歌われる三曲には、「国際人」として育ったフランコ T. ライリーの豊かな経験と感性が反映され、自由形式プロジェクトならではの流動的なサウンドが凝縮されています。
表題曲の「ヴォックス・カプレ・アクタ・バフォメティ」は、20分に及ぶ壮大な実験的組曲として、儀式のようなリズムと魅惑的なサウンドが融合されています。様々な影響が絡み合い、音楽の儀式ともいえるこの楽曲は、リスナーを予測不可能な旅へと誘います。続いて、ダークな世界観をダンスビートに乗せた「Thirst」でムードが劇的に変わり、熱狂的な執着と満たされない欲望を鮮やかに描き出します。三曲目の「Estranei」は、哀愁漂うカントリー風のサウンドスケープに歌謡曲的な旋律が重なり、秘めた思いをそっと囁きながら、人生における失敗やためらいの年々を回想する幻想的なバラードに仕上がっています。さらに本作には、「Thirst」の完全に再アレンジされたリミックスバージョンと、「Estranei」の日本語版が収録されており、アルバムの多面的な魅力を一層引き立てています。CD限定盤には全曲のインストゥルメンタルも収録され、リスナーが作品の繊細なアレンジと細部までじっくりと楽しめる仕様になっています。
「ヴォックス・カプレ・アクタ・バフォメティ」は、フランコ T. ライリーの歪んだ美学と抑えきれない情熱を妥協なく凝縮した作品であり、同時に彼の人間的な限界への挑戦でもあります。幻想と現実の狭間で揺れる緊張感を描き出し、妄想、腐敗、失敗、悪夢、自己嫌悪といったテーマを独自のアプローチで探求し、視聴者の認識に問いを投げかける旅に、ぜひ足を踏み入れてください。
ヴェネツィア・カーニバル期間中の2025年2月26日より全国のCDショップにて発売
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