「ヴォックス・カプレ・アクタ・バフォメティ」
録音: 2024年7月~10月、世界中の各ミュージシャンによる
ミックス: 2024年10月~11月 (Studio XXX 東京)
マスタリング: 2024年11月1日 (Studio XXX 東京)
フランコ T. ライリー: プロデュース、編集、ミックス、デザイン、アートディレクション、MVおよびアーティスト写真撮影・編集
佐野文彦: ミックス、編集、マスタリング、メインヴォーカルおよびドラムレコーディング
エリーザV.: MVおよびアーティスト写真カメラ
小西 広恵: 「Estranei」アーティスト写真撮影・編集
謎の人物: 「Estranei」MV撮影、編集
まずは「ヴォックス・カプレ・アクタ・バフォメティ」をご購入いただき、誠にありがとうございます。やっとここまで辿り着きましたね。まさか趣味のつもりで始めたこのプロジェクトが、ちゃんとしたプレスでCDとして世に出す日が来るとは…。そして、そんなものを買ってくれる人がいるなんて!「視聴者の気持ちなんて考えない」と言っておきながら、本当は感謝しかないです。もう一度、本当にありがとうございます。
今回収録されている楽曲のデモは、2020年のコロナが明け始めた頃からぽつぽつ作り始めたものです。とはいえ、4年間ずっと煮詰めて来たわけではなく、むしろ急に自信をなくしたり、自分を嫌いになったり、諦めたりの繰り返しで、ちゃんと制作に向き合う勇気を見つけられなかっただけなんです。いわゆる「停滞期」に救いの手を差し伸べてくれたのが、Anathemaさんなんです。渋谷某所のやっっすい酒とパサパサの焼き鳥のせいで判断力が鈍っていただけかもしれませんが(笑)、彼が真っ先に協力を申し出てくれたんです。2023年1月16日、この日がなければVox Capraeは誕生しなかったと言っても過言ではありません。今になって後悔しているかはわかりませんが(笑)、本当に助かったんです。ありがとうございます。
そこからは、私が作ったデモにAnathemaさんがアレンジを加え、さらに他のミュージシャンに各パートの仕上げを頼み、今の形になりました。実は作曲の段階で「あの人に弾いてもらったら面白そう」と妄想しながら作った曲も多かったんですが、まさかほとんど実現するとは!このプロジェクトがいかにラッキーだったかを改めて感じています。
製作中、MIMEさんの存在も大きかったです。リハーサルやレコーディングの時期に、用がなくてもお菓子を持って遊びに来てくれたり、飲みに誘ってくれたりと、毎回穏やかな雰囲気を作ってくれました。これが(これも!)私の苦手な分野なので、素晴らしいドラムプレイ以上に感謝しています。
さらに、祈さん、秋さん、マヤさん、セバスティアンさん、サマンサさんも重要な仲間です、もちろん。私の雑なアレンジを彼らの手でレベルアップしたからこそ、この楽曲たちが「作品」になったのです。
そして、友たちのエリーザちゃん。毎回申し訳ない気持ちでいっぱいです。MV制作では無理やりカメラを回してもらい、二人とも撮影が本業ではないのに毎回大パニック。それでも、笑いながら進められてきたのは彼女の明るさとフットワークの軽さのおかげです。
最後に、長年お世話になっているエンジニアの佐野さん。やりたいことの説明が下手で、方向性もブレまくり、と厄介極まりない私を毎回支え、丁寧に作業していただきました。佐野さん以外、この流れに耐えられる人はいないと断言できます。まさに人間の限界を超えた気の長さなんだと思います。
Vox Capraeは、私自身を妥協せず表現するためのプロジェクトのつもりです。他人の意見に左右されず、やりたい形だけで活動するというわがまま全開のプロジェクト。しかし、振り返ってみると、回りの支えがなければここまで来ることは絶対にできなかったと痛感しています。コミュニティ感が強まったのも、素晴らしい仲間がいてこそ。
ちなみに、Vox Capraeはラテン語で「山羊の声」という意味です。なぜか、バンド活動でもプライベートでも、羊や山羊が良く出てくるんですよ… それに、歌声が山羊みたいだと言われたことも何回かあります(褒め言葉なのかはわかりませんが)。若干コンプレックスに思っていたんですけど、Vox Capraeと言う名前にその恥ずかしさを力に変えたいという気持ちを込めてみました。山羊だって立派な生き物ですからね。
羊の方が可愛いし、グッズが売れそうですけど、私の性格は絶対に「山羊」なんだと思います。イタリアにいる時も、日本にいる時も、孤独で頑張ってきたというか、自分の「群れ」がなかなか見つからないから。それは外人だからか、性格が悪いかは、判断はお任せします(多分性格の問題)。
話が長くなってしまったんですが、この需要がなさそうなプロジェクトを支えてくれてありがとうございます。大人数ではなくても、このプロジェクトを通じて少しでも共感してくれる人がいれば、それだけで十分です。山羊のクランは少人数かもしれませんが、今ここで生きていることは事実なんです。
Frank O.T. Reilly
Vox Caprae